1日からのHACCPの制度化に合わせて、北海道では、HACCPに基づく衛生管理を所轄の保健所が評価をしてくれる、という「評価事業」制度を廃止しました。その制度がなくなる間際の5月、駆け込みで評価を申し込む事業者が多かったようで、弊社のお客様でも4月、5月で10件ほどの申請のお手伝いをしました。
そんな折、弊社のお客様から何件も、
「保健所に申し込みの電話をしたけど、すごく電話対応が悪かった」
という声を聴きました。また、実際に評価を受けたお客様からは
「なんか人を小ばかにしたような態度でしたよ。こんな取り組み状態でよく申請してき たな、というような感じで鼻で笑われました」
という声も・・・
コロナ過で部署に関わらずコロナ対策にも駆り出されているとのことで、保健所の方達も大変な状況なのでしょうが、せっかく積極的に衛生管理の向上に取り組もうとしている食品事業者にそんな態度をとっていたら・・・それでも食品を扱う以上はHACCPに基づいて衛生管理を行っていかなければならないわけで、やる気をそぐ態度でなくやる気を出させる態度で接してもらいたいものです。大変さを競うわけではないですが、取り組んでいる食品事業者の方たちは、コロナ過で売り上げが減少している中でも、それでも取り組んでいるわけです。明日、働く会社がなくなる心配のない行政の方達とはちがう切迫感をもって民間の食品事業者達はHACCPの制度化に取り組んでいるのです。その取り組みのひとつとして、出来上がった衛生管理計画を「評価事業」で確認してもらおう、と思うのは、とても前向きで積極的な衛生意識の表れではないでしょうか。
どうしても食品事業者にとって、保健所はとっつきにくい所、という印象は否めないようです。悪いことをしているわけではないけど、何か言われやしないか、という漠然とした後ろめたさがそうさせるのか、昔からの庶民感覚でお上には逆らえないという強迫観念がそうさせるのか・・・そんな関係性を踏まえて接してもらいたいものだと思った今回の出来事でした。
それにしても・・・私としては北海道の「評価事業」は、食品事業者がHACCPに取り組むきっかけとしてとても良い制度だったのにな・・・と思い、それが廃止されたのは残念でしょうがないです。