社長ブログ2021年07月13日

HACCPのレベル?

 目の前の業務に追われ、また社長ブログの更新にしばらく時間がかかってしまいました。何をするにも「継続する」ことは難しいことで、永遠の課題ですね。

 さて、HACCPが制度化されて1か月が過ぎました。最終的には全ての食品事業者がHACCPに基づく衛生管理を行うことになれば、次にはその取り組みの実態評価が大事になってくるかと思います。どうも6月1日までの動きから、「先ずは手引書を見て作成してください」という行政の姿勢が、「形ができれば先ずは良し」と感じるのですが、まぁ段階的に考えればその流れは間違ってなく、それゆえにそのあとの実態評価と、出来上がった衛生管理計画のブラッシュアップが大事になるかと思います。

 HACCPで大事なのは「検証」です。その検証を機能させる仕組みづくりが、今回の制度化を意味のあるものにする鍵かな、と思います。保健所による事業所への巡回での衛生管理計画の確認は、ある意味その計画の検証になるものですが、現実的には行政の人員に対して食品事業者の数が圧倒的に多いのが現実ですから、物理的に限界があるでしょう。そこで着目するのが第3者機関による認証制度です。

 北海道には、「北海道HACCP自主衛生管理認証制度」という第3者認証制度があります。また、札幌市に限っては、飲食店と販売店に対しての「札幌市食品衛生管理認証制度(さっぽろハサップ)」があり、他には、農林水産省がバックアップしているJFS規格にもHACCPの要件が含まれており、これもまた第3者による認証となります。このような取り組みの中で、衛生管理計画が作成され、HACCPプランが構築されていくわけで、それを評価して認証をいただくことは、きちんとできていることの証明となるわけですから、ここに行動の差別化と信頼性が生まれてくるのだと思います。ただ、どの取り組みがレベルが高くて、どの取り組みはレベルが低い、と比較されるべきものではなく、各事業者の置かれている状況により取り組みが選ばれていけば良いのだと考えます。制度化での取り組みであれ、第3者による認証での取り組みであれ、目的は消費者へ安全と安心を保証する仕組み作りなのです。

 我々コンサルが忘れてならないのは、コンサルとしてのステイタスのために第3者認証をお客様に勧めることではなく、制度化の取り組みの延長として、お客様の意向を優先させて衛生管理計画の信頼性を高めるために第3者認証を勧めていくことだと考えます。衛生管理を行うのはお客様であり、その手助けをするのが我々の仕事ですから、出しゃばらず、でも的確に助言をしていくことを忘れてはならない、と考える毎日です。

この記事を書いた人:小林樹夫

所属:代表取締役 担当:皆の社長(笑)

小樽の漁師町の生まれ
人生の前半を小樽、函館で過ごし、酸いも甘いも色々経験(笑)後半の人生は、死ぬまで札幌で修行の予定。
さていよいよ50代最後の1年、来年は折り返しの年です。頑固でありながらも、いつまでも柔軟な感性を失わない、しなやかな社長=親父=おやじを目指してます❗