またまた、鳥インフルエンザの話題でひとつ。
新型コロナウイルスのパンデミックの最初に対策として取られたのが人流の抑制、つまり緊急事態宣言による日常生活の自粛でした。その影響が経済活動に大きなダメージを与えた半面、新しいサービスやリモートを使ったコミュニケーションスタイル、更にはワークスタイルの出現と定着など、人々のライフスタイルにあながちマイナス面ばかりでない影響も与えたことは記憶に新しいところです。
さて、今大きな問題となっている鳥インフルエンザですが、これも実は渡り鳥が運んできているというのが一つの要因だとか。つまり鳥の移動が感染拡大を引き起こしているらしいのです。特に北海道は渡り鳥の聖地で、道央ルートと道東ルートという二つのルートがあり、そのうち、今回の千歳の養鶏場での感染は、道央ルートの渡り鳥が原因となってるそうです。人の動きは緊急事態宣言という強制的な人流抑制で抑えることができても、渡り鳥には緊急事態宣言を出すわけにはいかないですからね・・・なかなか対策を講じるのは困難なようです。
新型コロナウイルスはワクチン接種が最終的な対策として、2回打った、3回打った・・・と騒いでいましたが、どうやら鳥インフルエンザもワクチンでの対策も検討されているとか。思い起こせば、私がこの業界で仕事を始めた頃、鶏肉や鶏卵を中心としてサルモネラ・エテリティディス(SE)という食中毒菌が世界中に猛威を振るっていました。日本においてもその頃は毎年原因物質の第1位がサルモネラでした。結局その騒動も抗生物質の投与により、鶏自体をサルモネラフリー(サルモネラ感染のない鶏)にすることで昨今は全くもって騒がれなくなっております。
結局感染症に対する対策は、ワクチンか抗生物質、という西洋医学の賜物に頼らざるを得ないのが人類の弱み。その結果として、ワクチンに耐性を持った変異株の出現や、抗生物質が効かない耐性菌の出現と、結局いたちごっこであるのですが・・・とは言え、なんとかしなければ経済活動にも大きな影響が出るのが現実の問題です。とは言え、結局人類や生き物は、目に見えない細菌やウイルスに左右されて生きているのだな、とつくづく思うのでした。