新型コロナウイルス感染症の影響が、社会全体、経済全体に及びはじめ、本当に日常とは違う非常事態なのだな、と認識せざるを得ない光景を目にする場面が増えてきています。緊急事態宣言前に久しぶりに乗った地下鉄では立っている人全員が吊革につかまらないで立っているし(周りを見て一瞬私も吊革を離しましたが、すぐに2本指(笑)でつかまりました)、ここ最近高速道路を走ると、道路情報等を知らせる電光掲示板に「緊急事態宣言 外出自粛」の文字が浮かび、定休日なしで営業していた近所の居酒屋も5月6日まで自主休業・・・胆振東部地震の時のブラックアウトも日常とは違う非常事態だったな、と思いますが、今回のコロナ渦の非常事態は、先の見えない不安感と疲弊感が漂い、ひとかたならぬ事態なのだと認めざるを得ないと感じる次第です。
そんな中、先日ネットニュースで、中国で新型コロナによる肺炎かと思ったら、消毒用の塩素を過剰に吸い込んでの肺炎だった、という記事を目にしました。
https://newspass.jp/a/hf7fd
弊社が関係する食品衛生の分野でも、似たような状況はしばしば起こっていて、それは食品への過剰な消毒薬の使用だったり、過剰な除菌意識の扇動だったり・・・細菌やウイルスといった目に見えない敵を前にすると、不安故についつい過剰に対応したくなるのは人の性なのかもしれませんが、それによって今回のように逆に健康被害をこうむる場面も出てくるし、安全な食べ物を作るつもりが、不味くて体に良くない食べ物になることもあるのです。「過ぎたるは及ばざるが如し」とはよく言ったものです。
そう考えると、6月から制度化される衛生管理の手法であるHACCPの考え方は非常に合理的であるといえます。安全な食べ物を作るために手を抜いてはいけない調理工程をしっかり管理しましょう、そのための裏付けをしっかり確認しておきましょう、という考え方で、それは過剰な管理にならず、適切な衛生管理を実現するものなのです。
地下鉄の吊革・・・触った後に手を洗うか、アルコールで消毒すれば良いだけの話ではないでしょうか?感染を恐れるあまり、吊革につかまらないで転んで怪我をするリスクも忘れてはいけないのでは?と思います。