もともと生き物には、植物や魚や昆虫などの生き物が、毒か食べ物かを嗅ぎ分ける「能力」が備えられています。人も元来そうであり、更に経験の中でどうしたら無毒化して食べられるか、どこを取り除けば食べられるかの「知恵」を蓄えてきました。そして、生き物を殺してそのまま食べるだけでなく、調理や加工により「美味しく」「安全に」に食べる術を身につけてきました。
調理や加工された食べ物、すなわち「加工食品」にも命があると考えます。すなわち、消費期限や賞味期限がそれです。その命を長らえるために、食品添加物を使うのか、調理工程や技術の見直しを行うのか、そこは各メーカーの考えによるところですが、それとは別に、その「加工食品」で人の命が奪われないようにするため、つまり食中毒や食品事故を起こさないための衛生管理が、来年から法律(食品衛生法)で義務付けされることになりました。詳細、及び疑問点については、下記サイトを参考にしてください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000153364_00001.html
この中で書かれている「HACCP」とは、ここまで2回に渡り「命をいただく」というテーマで書いてきた事柄の本質に迫るものであると私は解釈しております。すなわち、生き物としての野菜、肉、魚が食べ物に変わっていくとき、生き物として持っている特性が人にとっての食べ物として毒にならないか?そして、その野菜、肉、魚を調理・加工していく中で、人にとって毒になる可能性があるかないか?をしっかり見極め、ではどうしたら安全で安心できる食べ物にできるか?を、今まで蓄積してきた知恵を集結して考えて調理・加工しましょう、ということであるからです。
「HACCP」については、今やネット上で沢山の情報があふれております。今回の私のブログも、皆様を混乱させるものにならないか心配ではありますが、その方法論ではなく、その考え方の本質に迫れば、至極当たり前の話で難しく構える必要はないんだ、ということを伝えたかったわけであります。