2020年3月31日は、食品製造業や食品販売の方たちにとって大事な日となります。それは、2015年に施行された「食品表示法」の5年間の猶予期間が終わる日であり、その翌日から新しい表示ラベルに切り替えなければならないからです。詳細は下記サイトを参照ください。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/pdf/150331_kijyun- gaiyo.pdf
弊社では、製造業の方や販売業の方たちの表示作成のお手伝いをする業務も行っております。実際の表示の作成は時間のかかる作業で、その上法律に基づかなければならないため、細々とした規則を確認しながらの作業となります。そして厄介なのが「添加物」と「アレルギー」の表示です。「添加物」はカタカナ言葉が多くほぼ化学の世界ですし、「アレルギー」に至っては使っている調味料に使われている原料にまで遡らなければ判らないものまで基本的には記載する必要があります。ただ、その作業の中で、この表示はいったい誰のために作っているのか?と疑問に思うことがしばしばあります。
食品の表示は、一般消費者の方へその商品の情報を開示することが目的で作られます。使われている食材、添加物、そしてそこに含まれているアレルギー物質、それに重さや個数、作った会社や賞味期限や消費期限等、様々な情報が書かれています。厚生省のホームページに「食品衛生法に違反する食品の回収情報」というサイトがあり、その中で表示に誤りがあった場合の回収事例などが載っていることがあります。でも実は、出来上がった表示に誤りがあるかないかは、一般消費者の方にはなかなか判りづらいものですし、とりわけ「添加物」は、見ても訳の判らないものだらけではないでしょうか?今は手軽に様々な情報が手に入りますので調べれば良いだけのことですが・・・そう考えると、いったい誰のための表示なのか?と思ってしまうのです。
ただ、先の思いと矛盾しますが、だからこそメーカー(表示作成者)は、法律に基づき適正な表示を作り、一般消費者の方たちへ正しい情報を提供しなければいけないのだと思います。とりわけ「アレルギー」の情報は、直接的に消費者の方の健康被害につながる情報です。お叱りを受けることを覚悟で極論の私見を述べますが、その他の情報に多少の誤りがあっても直接的に健康被害につながることは少ないです。仮に消費期限、賞味期限が間違っていたとしても、食べて味や臭いの異常に気付けば吐き出して食べなければいいだけです。でも、アレルギーは情報(表示)を信じるしかなく、口に入れても味や匂いで判らないケースがほとんどです。
2020年3月31日まで半年を切りました。まだ準備の済んでいないお客様がいましたら、先ずは弊社へご一報ください。