来年制度化される「HACCP」。それは昨年6月13日に公布された、「食品衛生法等の一部を改正する法律」に記載された、「原則として、全ての食品等事業者に、一般衛生管理に加えHACCPに沿った衛生管理の実施を求める」という文章で発表されました。ご存知の方も多いかと思いますが、弊社営業マンが飛び込みで廻ってる飲食店では、まだまだ「聞いたことがない」という反応が多いのも現状です。「保健所が何も言ってこないから」「あ~そう言えばこの前なんか書類が届いていたな」とうニュアンスの反応が多く、すそ野の広い飲食店や販売店等に、どう情報提供して認知度を高めるかは大きな課題ではないかと感じます。そもそも、公布された法律の文章に書かれた言葉の認知度はどれほどのものか?から考えなければいけないかとも感じます。我々のように、衛生管理の業務に日々身を置いていると当たり前に使う言葉も、それを実践しなければいけない現場の方たちには耳慣れない言葉である場合が多く、前回話題にした「教える、伝える」を踏まえると、やはりこちら側が謙虚になり、相手の立場や状況に立ち説明することが、我々コンサル業に携わる者の姿勢ではないかと考えます。
「一般衛生管理」と「HACCP」、この二つのキーワードが、公布された法律の文章に書かれています。そして、今回のHACCP制度化に伴い、全ての食品等事業者(製造工場ばかりでなく、飲食店、販売店、ホテル、旅館、スーパーのバックヤード等の方たちまで含めて)が行わなければならないことは、この二つのキーワードに対して書類(手順書)を作成し、実施した記録を残していくこととなります。それをまとめて「衛生管理計画」と呼んでおり、一言で言い換えれば今回の「HACCPの制度化」は、「衛生管理計画」を作成してそれを実践していくことと言えます。「一般衛生管理」と「HACCP」の仕組みをできるだけ判りやすくまとめた(つもりの)資料を、このサイト内のContents「HACCP制度化への対応」の中に記載してあります。お時間があれば、覗いてみてください。
人と人とのコミュニケーションは、「言葉」がなければ成立しませんが、その「言葉」に捕らわれすぎるとその裏に隠された「本質」を見失うのではないかと思います。今回のHACCP制度化に関しても、現場の方にとって必要なのは、「何をするのか」、「なぜするのか」、「どうやってするのか」という本質であると考えます。「一般衛生管理」や「HACCP」、更には「衛生管理計画」という「言葉(ワード)」ではなく、それを説明する「文章(センテンス)」を丁寧に伝えていくことが弊社の役割であると考え、社員共々日々業務に励んでおります<(_ _)>